Column
2022.07.25
日本は世界でも有数の地震多発地帯です。
日本で生活する上で、地震と無縁の生活を送ることは難しいでしょう。
マイホームを建てる時、耐震性はとても重要な要素となります。
地震に強い家づくりをするには、どのようなことを考えれば良いでしょうか。
地震が発生しても建物の損傷や倒壊を抑えることができれば、安全な暮らしを守ることができます。
地震による損傷や倒壊から守る考え方や技術には、大きく分けて3種類のものがあります。
耐震は、建造物自体の強度で地震に耐えることを目的とした技術です。
構造自体を丈夫にして地震が発生しても倒壊しないようにします。
地震の力は、重量のある床や屋根に伝わりやすく、その力に耐える強い構造が必要になります。
耐力壁の配置、筋交いや構造用合板、金具などを使って、建物の各部位が倒壊しないように補強します。
建造物を立てる際は、建築基準法に定められている通り、一定の耐震性を確保する必要があります。
耐震等級1以上であることが条件で、数百年に一度程度発生する地震に耐えられるものとされています。
具体的には震度6強から7程度でも倒壊しないことや、震度5程度でも大きく損傷しないことが基準となっています。
耐震等級は3まであり、
耐震等級2は等級1で耐えられる地震力の1.25倍の力に対して倒壊や崩壊をしない程度、
耐震等級3は等級1で耐えられる地震力の1.5倍の力に対して倒壊や崩壊をしない程度と定められています。
等級2は病院や避難所に指定される建物に求められるもので、等級3は警察署や消防署など防災拠点となる建物に求められるものとなっています。
制震は、地震の揺れを抑えることを目的とした考え方です。
地震をエネルギーとして捉え、建物にエネルギー吸収機構を組み込み、地震のエネルギーを吸収、抑制する技術です。
地震を制するのではなく、振動を制することから制振とも言われます。
地震の規模が大きくなっても建造物に対する損傷を抑えることができます。
免震は、地盤との絶縁などにより地震から免れることを目的とした考え方です。
耐震構造のように建造物自体を補強するのではなく、建造物の土台と地盤の間に免震装置を設置して、地盤の揺れを建造物に伝えないようにする構造となっています。
強い地震が起こっても建造物には揺れが伝わらないので、倒壊を防ぐことが期待できます。

それぞれの技術や工法にはどのようなメリットとデメリットがあるのか解説していきます。
他の工法と比べて工事が行いやすく、地盤や立地を選ぶことなく導入することができます。
またメーカーによっては耐震等級2以上であっても追加費用が掛からないため、他の工法よりもコストを低減しやすいです。
コストに応じて耐震箇所を設定できることもコスト低減に繋がります。
建物自体が強いため台風などの強風では揺れを感じることは殆どありません。
しかし地震の揺れを抑えることはできないので、家具など建物内部の損傷は防ぐことはできません。
そのため家具の転倒などによる二次被害のリスクは残ってしまいます。
また階建の建造物である場合、上部に行くほど揺れが伝わりやすく、数十階建の建造物では揺れによる影響が顕著です。
さらに地震の揺れを抑えていないため、構造は頑丈ですが繰り返し地震が起きた場合には、倒壊の可能性が高まっていきます。
特に大きな地震の後にはメンテナンスが必要となるため、コストがかかります。
制震工法は、地震のエネルギーを吸収して揺れを抑えるため、建物の倒壊を防ぐことができます。
揺れの抑制によって構造体の損傷を軽減するため、繰り返し発生する地震にも有効です。
また地震の揺れ自体を抑えるため、建物内部の損傷も小さくすることができます。
台風などの強風の揺れにも強いです。
免震工法よりも導入コストは安価で、構造体の損傷が起こりにくいことから地震後であってもメンテナンスは殆ど不要です。
制震装置を設置した上階の揺れを抑えることができるため、高層建築でも数多く採用されています。
一方で、2階建てなど小規模な低層建造物においては、一般的な筋交いや構造用面材による補強と変わらない場合が多いため、コストに見合うメリットを得ることは難しくなります。
それでも近年では戸建て住宅への効果も検証され、採用する例は増えています。
また耐震工法と同じく建物自体は揺れるため、内部の損傷を防ぎきることは難しい場合があります。
免震工法では基礎部分にアイソレータやダンパーを敷き、その上に建物を建造するため地震がきても建物がほとんど揺れずに済みます。
あらゆる規模の地震に有効で、地震対策においては最も優れた工法といえます。
建物に揺れを伝えないため、家具をはじめとする建物内部の損傷を防ぐことができます。
そのため家具の転倒などによる二次被害を防ぐことにも繋がります。
揺れを抑制している特性上、建造物の損傷も防ぐことができます。
長い期間、建物自体の品質を保ちやすくなります。
一方で地盤と絶縁しているため台風や強風により建物が揺れ、倒壊の可能性があります。
また津波に押し倒される可能性もある他、強風などで建物が揺れている際に地震が発生すると、さらに倒壊の可能性は高まります。
地震が起きた場合、免震装置が揺れるため、建物の周囲にも十分な敷地が必要となります。
耐震、制震工法に比べてコストが大きく普及率は高くありません。
免震装置には定期的なメンテナンスが必要となり、免震装置の交換の際もコストが高いです。
加えて免震技術は比較的新しい技術のため、技術面や耐用年数については疑問視の声もある他、施工できる業者は限られます。
建物自体の構造においても免震装置を設置する分、一階の床が地面よりも高くなり、地面の上に免震装置を設置するので地下室を作ることができなくなっています。
地震に対する考え方や技術には種類があり、それぞれに違った目的と特徴があることがわかりました。
例えば耐震の基準となる耐震等級では、一度の大地震による倒壊を防ぐことが想定されており、繰り返し発生する地震に耐えることや、損傷をしないことを想定している訳ではありません。
そのため、大地震に耐えうる耐震性能を持っていたとしても一度の地震で住み続けることが困難になる可能性があります。
制震構造は地震のエネルギーを吸収して構造への損傷を抑えるため、性能が劣化しにくく、複数回に渡る地震から建物を守ることができます。
これらを組み合わせることでも安全性を高めることができ、一般住宅では「制震」を、マンションなどの大きな建造物では「免震」と「制震」を併用するなどの取り組みが行われています。

耐震等級は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって定められた住宅性能表示のひとつです。
建造物の構造や間取りは、耐震性能に大きく関わっています。
耐震性能を高めるためには建造物の構造を強くしなければならないので、耐力壁をバランスよく配置できる間取りが必要となります。
部屋数が多い建造物は壁も多くなり、耐震性能は高まります。また正方形に近い建造物もバランスが良く耐震性能は高くなります。
その一方で、窓が多く壁自体の強度が低くなっていたり、吹き抜けなどにより壁が少なくなっていたりする建造物においては、耐震性能は低くなりやすいです。
上記を加味して、自由な間取りと耐震性能の両立のためには住宅メーカーの専門家に相談すると良いでしょう。
耐震等級1は建築基準法で定められた最低水準の耐震性能になります。
数百年に一度発生する規模の大地震が起きても倒壊しない強度と、数十年に一度発生する規模の地震が起きても損傷しない強度であることが基準となります。
「耐震等級なし」と表記されている住宅もありますが、耐震等級1と同義です。
ただし1981年より前の年代に建てられた建造物の場合はその限りでないことは覚えておく必要があります。
耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震性能が基準です。学校や病院などの公共建築物は耐震等級2以上で建築されます。
また税制面で優遇を受けられる「長期優良住宅」の認定を受けるための条件に、耐震等級2以上であることも含まれています。
耐震等級3相当と表記されている建物がありますが、耐震等級3と同程度の設計を行い、同程度の建築材料を使っているものの、評価を受けていない建物に使われています。
一般の住宅を建てるとき、評価を受ける義務はなく、評価を受ける検査には費用がかかることからコスト削減を目的として申請を避ける場合があるようです。
耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の耐震性能が基準です。
防災拠点となる警察署や消防署が該当するほか、近年では家を新築する場合でも、安全のために耐震等級3を選択する人が増えています。
当社はこの検査を必ず行うようにしています。
しかし本当に耐震等級3と同等であるか判断することはできない上に、地震保険の適用外となる恐れもありますので、評価を受けたものが望ましいでしょう。
安全面を考えた場合、耐震等級3が最も優れていることは明白です。
耐震等級3の住宅には、それ以外にもいくつかのメリットがあります。
耐震等級3の住宅では、地震保険の割引が適用されて50%引きとなります。
耐震等級2では30%、耐震等級1では10%引きで、耐震等級3では地震保険に対する出費を抑えることができることがわかります。
テクノストラクチャーはパナソニックが独自開発した強い梁「テクノビーム」を使った耐震住宅工法です。
一棟一棟構造計算をして建てるので耐震性が高く、耐風性、耐積雪性にも優れています。
テクノストラクチャーで使用される梁「テクノビーム」は木と鉄の複合梁です。
昔から建材として使われてきた木材は、環境にも優しい素材であり丈夫で長持ちします。
古い木造建築が現存することからもその耐久性がわかります。
しかし木材は自然由来の素材であるが故に、加わる力の種類や方向によって強度が異なります。
薪割りでは縦向きにした木に、斧で下方向の力を加えることで薪を細く割ります。
斧で力を加える場合、横の方が頑丈です。
柱や梁などの構造に対して、重力や荷重で下向きの力が加わり続ける場合、破損はしませんが、木のしなりによって横向きの梁はたわんでしまいます。
建物などの構造に使用する場合、構造を保てないと言う意味では横向きの木材は強度不足ということになります。
テクノビームでは木の梁が持つ弱点を鉄によって補強しています。
年数が経過しても梁のたわみを抑えられるため、骨組み全体の歪みが起こりにくく建造物を頑丈に保つことができます。
また地震などの一過性の大きな力に対しても強いので安心です。
建物の強度を高めるために梁などの部材だけでなく、部材同士の接合部も重要になります。
一般的な木造住宅においては、木材を切り欠いて直接部材を接合する方法がとられますが、接合部が部分的に細くなってしまうことで強度が下がり、地震等の際にその箇所が割れるなどによって建物が倒壊する例が見られます。
また、施工者の技術差によっても品質が異なる可能性も考えられます。
テクノストラクチャーでは木材の切り欠きを可能な限り減らし、金具接合仕様を採用しています。
施工者による品質のバラつきをなくすことができ、接合部での安定した強度を実現しています。
地震や強風によって建物が揺れた場合、柱に対して建物上部の揺れに引っ張られるような力が加わります。
そのような力に備えるため、テクノストラクチャーでは柱の引き抜き強度を飛躍的に高めて損傷の対策を行っています。
結露した水分が、目に見えないところで構造体や断熱材を腐食・劣化させると知らないうちに住宅の耐久性が低くなってしまいます。
そのため、湿気対策や結露対策は住まいの耐久性を高めるために重要なことです。
テクノストラクチャーでは、住まい全体の通気に配慮して、構造体の耐久性を高める工夫が行われます。
また断熱性能や間取りの工夫によって室内を快適な温度に保ちやすくできます。
そういった省エネに対する工夫も行われます。
大海建設は、テクノストラクチャー工法に加え、耐震等級3を実現するなどお客様の暮らしの安全を守るための工夫を続けています。
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