Column
2022.10.03
住宅メーカーがわかりやすく解説します。
住まいは、人生において大きな買い物であると同時に、長く利用する安らぎの場所です。
実は機能性以外に、外観のデザインへこだわりを強く意識されるお客様はたくさんいらっしゃいます。
この記事では
・外観デザインにはどんな種類があるのか?
・気になる外観で使われている素材にはどんなものがあるのか?
事例を紹介するとともに、建物のデザインについて解説します。
外観の相談でトラブル
外観はメーカー毎、担当者毎で認識が異なります。
なので、「和風」とgoogle検索しても様々な相違があったりします。
住宅担当者との共通認識を持っておくことで齟齬がなくスムーズな取引が可能になります。
一番間違わないのは好みの画像を自分の携帯に保存しておき、見せることです。
外観デザインには、様々な種類があり、特徴によって分類されています。
代表的なものをご紹介します。
古くから日本でよくみられる家のスタイルで、玄関が引き戸であることが多く、屋根は切妻屋根など、日本人にはなじみ深いデザインです。
木材や竹を使った外装が多く、外回りに岩や低木などを配置した庭も特徴的です。
海外に多い外観です。
外壁がレンガやタイル貼りのものが多く、一番の判断はアーチ形などの特徴的な窓やドアがよく使われています。
現代的なデザインで、直線的なシルエットや余計な装飾を省いた外観が特徴です。
屋根に軒がないことも多く、デザインを重視した外観となります。
おそらく現在の日本で最も多い様式がこちらです。
モダンとは「現代的」という意味です。
和モダンは和風テイストでありながら、現代風に装飾などを省略したデザインです。
たとえば、軒の出が長く外壁に木目を採用していながらも、アクセントにアルミなどの異素材を使用したりしています。
洋風テイストをベースに凝った装飾を省き、デザインをスッキリさせています。
ウッドデッキがあって、アーチ型の玄関があって、、こちらも工夫次第で採用できることが多いので見かける機会の多くなった外観です。
上記の他にも、趣味や個性を反映させたデザインは多くあります。
北欧風建築や、ウッド調、コンテナハウス、ログハウス、、、様々です。
次は建物の外観を決める要素を考えてみましょう。
具体的に大きく分けると
「形状」
「色」
「素材」
があります。
もっと言うと外観は建物のシルエットだけでなく、
窓や玄関なども影響、外構も関わってくるため、エクステリアをデザインする場合、トータルバランスを考慮した設計を目指さなければなりません。
ここでは外観と現実的なコスト・不具合も兼ねて1つずつ見ていきましょう。
建物全体の形状は、家のイメージを決める重要な要素となります。
現代の流行は、凹凸が少なく直線的なシンプルモダンです。一階と二階の面積が同じである「総二階」と言われる建物です。
こういったシンプルなデザインの方がコストを抑えることができます。
オシャレ感は高くありませんが、万人受けしやすい見た目です。
逆にデザイナーズハウスと呼ばれる様な凹凸の多い形など“特徴のある家”は思わずカッコイイという言葉がでてきます。
ただデザイン性を優先してしまうと雨風や日光を遮断しにくく、暮らしにくい家になりがちです。
建物の外観デザインは、屋根の形状に大きく左右されます。
近年、軒のない家もしくは軒の出が少ない家が多く見られます。
軒とは「外壁より外側の屋根部分」のことを指します。
確かに軒がないほうが外観はキュービックな見た目でスタイリッシュになります。
当然、コストも安くなり、その上居住空間も広くとれます。
屋根は単なる装飾ではなく基本的に雨や風から建物を守る役割を持っています。
軒がない場合、日差しが窓から直接入ったり、雨が直接あたりうるさいと感じるようなデメリットがあります。
このほか屋根にはその形状によって、メリット・デメリットがあります。
少し軒の話になってしまいましたが、屋根は使用する資材によっても費用が大きく変動します。
当然、雨風に対する耐性や、メンテナンスの容易さにも関わります。
例えば昔からよく使われている焼き瓦は、屋根が重くなってしまうため地震の揺れには弱い傾向があります。
台風などの強風で吹き飛ぶこともありますので、安価だからと選ぶには考えものです。
デザイン性ばかり重視して屋根の機能性を軽視してしまうと建物の耐久性にも関わってきます。
屋根の形状はデザインばかりを意識しないように注意しましょう。
建物の外壁の色は、その建物の印象に大きく関わります。
白を選べば明るく膨張して大きく見えます。
黒を選べば輪郭が際立つ為、凸凹や線がより強調され、スタイリッシュな印象になります。
なにより、外壁の占める面積は大きいため、外壁の色は慎重に選ぶ必要があります。
外壁の色を決める際にありがちな失敗として、
小さい面積のサンプルだけを見て決めてしまうことがあります。
小さい面積で見た場合と、外壁の大きな面積で見た場合では印象が大きく異なります。
できれば大きな面積での見え方や印象を確認してから決めると失敗する可能性を避けることができます。
ここからは別の視点で色を見てみましょう。
色は”暮らし”にどう影響するのでしょうか。
白やベージュなどの明るめの色は人気がありますが、家を建てる場所によっては、汚れや損傷が目立つことがあります。
例えば周りが畑であった場合は風で土が飛んできて汚れます。
また、北側は日光が入りにくく湿度が高いためコケが生えてきます。
黒やダークな色は、高級感があり落ち着いた雰囲気になりますが、太陽光を吸収するため、温度が上がりやすい性質もあります。
その他、彩度の高い色の場合、オリジナリティはありますが、近隣の家との調和がなくなり奇抜な印象となってしまいます。
周辺の景観を損ねる・数奇な目で見られる、少し心配もあります。
ご自身の暮らしに最適な色を選択しましょう。
外装の素材は、使い方によって高級感を出すこともできますが、逆に安っぽくなってしまうこともあります。
今回は日本で多く使われている様々な素材から、代表的なものを特徴を添えてご紹介します。
・サイディング
サイディングは、一般的にセメントや金属製のものを指す外壁材です。
サイディングは乾式の施工方法となり、工場で予め成形されたサイディングボードを壁に貼っていきます。
工事費用が安く済む他、耐水性や耐天候性に優れており、工場生産のため品質が安定していることも特徴です。
また、種類やデザインが豊富であるので、現在最も普及している外壁材となっています。
・ガルバリウム
ガルバリウムは、金属素材の外壁材です。
ガルバリウム鋼板は金属鋼板をアルミニウム・亜鉛・シリコンで鍍金したもので「アルミ亜鉛合金メッキ鋼板」と呼ばれることもあります。
同じく金属鋼板を亜鉛だけで鍍金したものをトタンと言います。
ガルバリウムは耐用年数が長く、金属素材でありながら錆びにくい特徴を持っています。
また軽量素材なので、建物に対して負担がかかりにくいとされています。
ただし金属なので海に近い塩害地域で使用する際には注意が必要になります。
・モルタル
モルタルは、砂とセメントと水を混ぜ合わせた素材で形成される外壁材です。
日本では1990年以前に、戸建ての家で多く採用されていました。
モルタル壁は意匠性に優れ、味わい深い仕上がりになるのが特徴です。
また、外壁の継ぎ目がないのでコーキングの補修が不要であることがメリットとなります。
ただし、経年により塗装の防水性能が低下すると、様々な劣化症状が発生するので注意が必要です。
・タイル
タイルは、粘土または無機質の原料を成型し、高温で焼き固めた板状の建材です。
内壁や床・浴室の保護や装飾に使用されるほか、外壁材としても適しています。
タイル外壁は高級感や重厚感があることが魅力のひとつで、立体感があり他の外壁材にはない風合いが楽しめるため、デザイン性に富んだ建物に仕上げることができます。
無機質素材のため耐久性・耐候性に優れており、傷のつきにくい高い強度や、色褪せのしにくさから美観を保ちやすいなどの特徴があります。
ただし、コストが高いのがデメリットとなります。
・ALC
ALCは「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略称で、高温高圧蒸気養生した軽量気泡コンクリートのことです。
珪石、セメント、生石灰などが主原料となります。
耐久性が高く、耐震性もあります。適切なメンテナンスを行った場合、耐用年数は50年以上と言われています。
熱伝導率が低く断熱性に優れています。また、耐火構造のため耐火性・防火性にも優れています。
通常のコンクリートにと比較して軽量で、遮音性が高いことも特徴となります。
ただし防水性は低く、費用は高いです。
家はシンプルに考えると窓と壁であるため、窓の位置や形、大きさによってかなり印象が変わります。
窓の種類を見てみると、左右2枚のガラス戸をスライドして開閉できる引違い窓が一般的ですが、上下に開閉する上げ下げ窓、ガラス戸の下部を外に押し出して開く突き出し窓、開閉できないFIX窓(はめ殺し窓)など、色々な種類があります。
近年採用されている窓の少ない家は、現代的でスタイリッシュな印象を与えます。
ただ窓は暮らしにも大きな影響を与えます。
室内の明るさの他、空調や温度・湿度の調整など、重要な役割を果たしています。
窓を多く配置すると内部は明るくなり、外壁にデザイン性を持たせることができますが、費用がかかるうえ、断熱性は下がってしまいます。
窓は、大きさや形状、配置と数によって外観の雰囲気に変化を与えてくれますが、同時に防犯やプライバシーについても考える必要があります。
また、床面に接した出入り可能な掃き出し窓は、風通しや採光が良くなりますが、内部が見えやすくなる上に出入り口となるので、プライバシーや防犯面を考えて設置する必要があります。
窓枠の素材にも種類があり、木製の枠から金属製のものに変えるだけでも外観の雰囲気は大きく変わります。
玄関は、外から見える設備の中で、比較的大きなもので誰もが注目する場所です。
窓より大きく、家の印象を左右しやすく、大きさや形状、素材、色など家全体のバランスも考慮して選択します。
特に色の選び方には注意が必要ですが、特徴を紹介していきます。
基本
業界では玄関ドアは家のアクセントとして、壁よりもやや濃い目の色を選びます。
グレー系
家の中でもトップクラスで汚れるドア。この色は汚れが目立たなく様々な外壁にマッチします。
アイボリー系
白の外壁と相性がよく、木目(木製)デザインのものをよく見かけます。明るい印象がお客様にも入りやすい印象を与えます。
メタリック系
アルミの質感をそのまま生かしたデザインが多く、スタイリッシュを目指す家には最適。以外と安価なものが多くあります。
また、玄関ドアの開き方には、片開き、両開き、引き戸などがあります。
高齢者や車椅子利用者がいるご家庭では、バリアフリーを意識したドア選びも重要になります。
その他、見た目だけではなく防犯面も考慮して、ドアノブ、鍵、ドアホンの設置などを行います。
また、風水の考え方なども参考になります。
エクステリアデザインは、建物だけでなく庭や外構部分を含めて決まります。
せっかくのシンプルな家がゴチャゴチャしている外構のせいで狭苦しい印象を与えます。
建物のデザインだけを考えてしまいがちですが、外構部分のデザインも同時に考えておきます。
ポイントは建物の設計をする際、庭や外構を含めて全体の雰囲気やテイストを合わせてデザインします。
塀や門などの設備に使用する素材は、建物のグレードと揃うようにしておかなければ見劣りしてしまい印象が悪くなるので、外構工事の費用まで予算に入れて考えましょう。
車を所有している場合は、車の出入りについても考慮した上で外構をデザインします。
駐車スペースから玄関が遠くなってしまうなど、利便性に欠ける可能性があります。
また、外構はプライバシーの保護と防犯の役割を担います。
開放的な雰囲気の庭やテラスはデザイン的に優れていますが、実際の防犯についても意識して設計する必要があるので注意が必要です。
建物の外観デザインは、個性が反映されます。
それは注文住宅が「如何様にでもできる」からです。
しかし、デザインだけを重視するのではなく、耐久性や防犯性なども考慮して総合的にデザインする必要があります。
また、特徴的な景観のある地域の場合、美観を損なうようなデザインはトラブルの可能性もあるため避けることを推奨します。
外観の種類を理解しておくことで自分の方向性を客観視することができますので覚えておいて損はないです。
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「建てて良かった」
この言葉が自然とでてくるよう、感じていただけるよう機能性、デザイン性など、夢やこだわりを形にするための家づくりを行っています。
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