家族が増えたり社会的な地位が向上したりすると、いつかは一軒家に住みたいと思う人もいるのではないでしょうか。
しかし私たちが生活するために必要な衣食に比べて住の費用は高く、ライフステージに合わせて大きく変化する特徴があります。
またすでに一軒家に住んでいる方でも転勤などを契機に引っ越すことになる場合もあるでしょう。
一軒家に住むべきかマンションにすべきか、あらためて考えなおしたいと思う方もいるかもしれません。
そこで今回の記事では一軒家に住むことを考えている方の参考になるように
「一軒家のメリットやデメリット」
「マンションとの比較」
「一軒家を購入すべきか賃貸にすべきか」
などを解説していきます。
ぜひとも参考にしてください。
一軒家に住むことを考えている場合、まずは一軒家のメリットとデメリットを把握したうえで判断することが望ましいでしょう。
それでは一軒家のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
まず一軒家に住むメリットを4つご紹介します。
まず一軒家のメリットはなんといってもプライベートな空間を広くもてることにあります。
もし一軒家を新築するのであれば家族のメンバーそれぞれがひとりになれる空間を持てるように間取りを工夫して、プライバシーに配慮した設計ができます。
さらに庭があれば池を作ったり、ドッグランやフットサルコートも夢ではありません。
自分たちが好きな花を植えたり家庭菜園を作ったりできるでしょう。
スペースが限られているために庭を作れなくても、最近は一軒家の屋上のスペースを利用して植物や野菜を育てる人たちもいます。
また隣の家との間に十分なスペースが確保できます。
したがって小さなお子さんがいたり、楽器を演奏することがあったりしても、主に騒音にまつわるトラブルを未然に防げるようになるでしょう。
これは壁や床の向こう側に別の人たちが住むマンションに比べ、非常にありがたいメリットです。
次のメリットは土地を所有できることです。?
一軒家を購入すると通常は建物だけでなく土地も所有できます。
土地を所有することで固定資産税の支払いはありますし、建物の価値は年を経るにつれて下がっていくのです。しかし土地の価格は状況次第で逆に買ったとき以上に上がることもあります。買った時よりも高くなることは資産が増えていくことにもなりますので重要なポイントです。
マンションを購入した場合も土地の一部を所有していることになりますが、一軒家に比べてその範囲は狭く、勝手に更地にしたり売買したりすることはできません。
資産としての自由度は低くなってしまいます。
三つ目のメリットは住まいづくりに対する多くの希望を実現できる可能性が高いことです。
新築マンションや建売住宅と異なり、注文住宅は立地・設計などすべてをゼロからはじめられます。
もちろん予算による上限はありますが、家づくりに対する希望を多く取り入れることが可能となります。
家の間取り・内装や設備など、ハウスメーカーや設計士と相談をしながら理想を形にできるでしょう。
また中古住宅の一戸建てであっても購入後にリフォームを大規模に行えます。木造であればかなり自由度は高くなりますので、あえて中古の一軒家をリフォームすることで総予算を抑えることもできるでしょう。
最後に管理費や修繕積立金、また駐車場代の負担がないことが一軒家のメリットとしてあげられます。
マンションの場合毎月のローン返済だけでなく、マンションの管理費や修繕積立金、さらに駐車場代を支払う必要があります。
一軒家では自分で家のメンテナンスをする必要がありそこに予算が発生することは事実です。
しかし基本的に自分の意思で修繕や設備の入れ替えができますので出費も自分でコントロールできます。また一軒家であれば駐車場を毎月支出する必要はありませんので月々の出費を抑えられるでしょう。
メリットが数多くある一軒家ですが残念ながらデメリットもあります。
次に一軒家に住む場合に知っておくとよいデメリットをふたつご紹介しましょう。
まず認識しておかなければいけないのは維持管理が自己責任であることです。
マンションの管理組合は、建物や設備の維持管理を計画的に行いそのための費用を住民から集め、定期的にメンテナンスを行っています。
したがって住民はお金を払いますが、維持管理をお任せできます。
しかし一軒家は維持管理をしてくれる人がいませんので、自分たちでメンテナンスをして必要に応じて修繕をする必要が出てくるでしょう。
マンションに比べて防犯上のリスクを抱えていることは、デメリットのひとつといえるでしょう。
マンションであれば最近はすべて防犯カメラが設置されています。
入り口はオートロックでかつ警備会社が見回りするところもあって非常に強固な防犯体制ができています。
しかし一軒家であれば自分で行う必要があります。もちろん自宅に防犯カメラを設置し、ホームセキュリティ用に警備会社と契約することは可能ですが費用は自己負担になるのです。
このほかにも一軒家が木造の場合に生じるデメリットがあります。それは法定耐用年数が短くなる可能性があること、また気密性が低くなってしまうことです。
木造住宅の法定耐用年数は22年です。
これは鉄筋コンクリート製の47年の半分しかありません。この法定耐用年数は、減価償却の計算に用いるために便宜上定められた年数であります。
税金面でのメリットを受けられる年数であって実際の建物の寿命を意味するわけではありません。
また木造一軒家はどうしても鉄筋コンクリート製に比べると気密性が低くなります。
室内外の空気が移動するために、冷暖房の効果が減弱してしまうのです。
ただし鉄筋コンクリート製の一軒家を選べば、建築にかかるコストは増加しますがこれらのデメリットはある程度解消できます。
一軒家と比較されるのがマンションです。
マンションに住む場合と一軒家に住む場合、どのような違いがあるのでしょうか。
すでに一軒家のメリット・デメリットでも触れていますが、ここではふたつのポイントに絞って、それぞれの違いを比較してみましょう。
メリット・デメリットのところでプライベート空間をもてるか、またセキュリティ面での違いについてご説明しました。そのほかにも暮らしやすさの面で一軒家とマンションには違いがあります。
一軒家は通常2~3階建です。
つまり居住空間は上に積み上げられていっており、階段を利用する必要があります。
一方マンションは上層階に部屋があったとしても居住空間は横に広がっており、移動は楽でバリアフリーです。
この違いは若いうちは問題になることはないかもしれませんが、年配の方が住む場合エレベーターつきの一軒家にしない限りは階間の移動は容易ではなくなります。
また一般的にマンションは駅近くにあり、周辺には買い物ができるスーパー。通学・通園できる教育施設が徒歩圏内にあります。
他方の一軒家は土地の価格などを考慮すると比較的郊外に建築することが多く、車の使用を前提に考えられていることもあるのです。
このように暮らしやすさに違いがあるのでライフステージや生活で必要とするものの優先順位を考慮する必要があるでしょう。
ワンポイントアドバイス
土地代が高い都市圏に比べ、地方は安価であることから注文住宅が多く立っている傾向にあります。土地代が安価であるということはそれだけ上物である建物に費用を注ぐことができます。色々なパターンの施工実績を見たいときは地方のハウスメーカーや工務店のホームページが参考になります。
施行事例一覧
マンションで常時必要となる管理費や修繕費、一軒家でのメンテナンス費用については既にご説明しました。
そのほか将来の資産価値について違いを整理してみます。
資産価値は建物と土地を区別して考えますが、建物部分は双方とも年月を経るほど低下していきます。ただし鉄筋コンクリートで作られているマンションは木造の一軒家に比べて低下するスピードは緩やかです。
通常一軒家は築30年も経過すると、建物としての資産価値はなくなってしまうと考えられています。
しかし一軒家であれば自己判断でリフォームできますので建物への老朽化対策は可能です。
土地の価値は下がることもあれば逆に上昇することもあります。
購入前に十分に調査をしておく必要がありますが、将来的に土地の値段が上昇することもありえます。
一軒家の場合、建物の価値はなくても土地の価値が高ければトータルで高い資産価値を保てるでしょう。
他方マンションの場合、所有する土地はわずかなものとなるため、建物の資産価値の低下がダイレクトにトータルの資産価値に影響を与えます。
したがってもし将来所有している土地と建物を売却することも視野に入れている場合は、
資産価値の下がるリスクの低い一戸建てを選択しておく方がよいでしょう。
ワンポイントアドバイス
土地の価値を予測するにはアンテナを張っておく必要があります。
まず周辺の発展性を考えます。
・不動産で売り出している地域
・商業施設や駅、企業誘致の話
・坪単価の推移
色々な情報源をもっておくことをおススメします。ハウスメーカーの担当者、さらには個別で地域の不動産にも聞き込みを行いましょう。
一軒家に住むことを決めた場合、一戸建てを購入することもできますし賃貸も探せます。
次に「一軒家を購入する場合」「賃貸にする場合」でそれぞれのメリットとデメリットをご紹介していきましょう。
一軒家を購入するメリットはなんといってもステータスが得られることです。
自分で家を建てることは社会的にも独立して一人前になったと認められる傾向があります。
経済的にも自立したと認められますので、最も大きなメリットといえるでしょう。
また一軒家と土地は購入すると資産になることもメリットのひとつです。
通常は住宅ローンを組んで購入しますがローン返済後は家賃を支払う必要もなく、老後に住む場所に困ることもありません。
さらには子どもたちに残せる財産ともなるでしょう。?
また購入すると自分の家になりますので、必要に応じて自由にリフォームできることもメリットのひとつです。
長い間を家族と暮らす空間にもなりますので、かけがえのない家族との思い出が残ることも得がたいメリットになります。
逆に一軒家を購入するデメリットは、ライフスタイルの変化に合わせて住環境を対応させることが困難になる可能性があげられるでしょう。
子どもが進学や就職をきっかけにひとり暮らしをはじめ、部屋が余る状態になったとしてもすぐに対応することは難しくなります。
またいったん購入してしまうと簡単に引っ越しができず、入居後にみつかった立地の問題や周辺住民とのトラブルなどは根気強く、解決策がみつかるまで対応する以外に方法がない可能性もあります。
さらには建物や設備・庭などのメンテナンスはある程度自分で行う必要があるのです。
もちろん専門の業者に委託してメンテナンスをしてもらえますがその分出費が増えることは覚悟が必要です。
賃貸にするメリットはなによりも住み替えが容易であることがあげられます。
ライフスタイルや環境の変化に合わせて、住む場所・家の大きさや間取りを比較的自由に選んで住めるのです。
また賃貸の場合は自分が建物を所有しているわけではありませんので、家賃は必要となりますが住宅ローンの支払いや固定資産税の支払い、さらには建物のメンテナンスにかかる費用の支払いは不要です。
ライフスタイルの変化に合わせて不動産情報サイトなどで条件に合う物件を探す必要があるので大変かもしれませんが、人気のエリアに住むことを検討したり、マンションから戸建てに変えたり、さまざまな条件で検索して選ぶ楽しさもメリットのひとつでしょう。
一方デメリットは家賃を支払い続ける必要があることです。
とくに老後になって収入が減少した場合、家賃の支払いが負担となっていく可能性はあります。
購入してローンの返済も完了していれば収入が減ったとしても住むところに困る状況は限られています。
しかし賃貸であれば生活する限り支払いつづける義務が生じますので結果的に購入する場合よりも高額になってしまうのです。
また賃貸では保証人が必要とされることがありますが、高齢者ともなればなかなか容易に貸してくれる大家や保証人をみつけられなくなってしまう可能性もあります。
敷金や礼金を多めに支払う必要が出てくるかもしれませんので注意が必要です。
さらに賃貸では建物は自分の所有ではないため自分の思いどおりにリフォームはできません。
とくに長い間同じ一軒家で住み続けると、ときに自分の好みに合わせてリフォームをしたくなるかもしれません。
オーナーの意向によってはリフォームができる可能性もありますが、持家の場合に比べると自由度は下がってしまうでしょう。
今回は一軒家のメリットやデメリット・マンションとの違い、また一軒家を購入する場合と賃貸する場合の違いについてご説明しました。
それぞれ人生の中で何を大切にするかによって、住環境に対して必要とすることやその重要度は変わっていきます。
なによりも自分ひとりではなく一緒に暮らす人たちの意見も重要です。
今回の記事を参考にぜひご家族と一緒に住む場所について相談し、家族のライフプランを話し合う機会を設けてみてください。